【著者】小野剛
【発行】株式会社カンゼン
四六判/272ページ
2019年1月28日発売
初公開! いま明かされる歴代W杯のテクニカルレポートの全容と真意
スカウティングの第一人者が解く「勝つサッカーの定義」。
現代サッカーに求められる戦術・戦略・技術とは何か?
元日本サッカー協会技術委員長で、FIFAインストラクターでもある小野剛氏が携わってきたテクニカルレポートの全容を分析しながら、歴代の日本代表の戦いの軌跡と内実、日本と世界の趨勢を読み解き、戦術、戦略、技術、育成といった面から、現代サッカーに求められる要素を徹底解説します。
つまり、本書はサッカーの本質を知り、世界の潮流と日本の立ち位置を理解し、真に強い日本サッカーを作り上げるための指南書でもあります。
本書を読めば、世界のトレンドと真のジャパンズ・ウェイが見えてきます。
元日本代表監督・岡田武史氏との特別対談も収録!
【目次】
【プロローグ 目指すべきサッカースタイルの確立】
ロシアW杯に課せられたミッション/子どもたちを本当に成長させるために/「長所を伸ばす」指導育成/指導方針のズレが代表監督交代の要因のひとつ/不退転の覚悟で臨んだ西野朗監督/「ニシさん、よく肚を括ったな」/ポーランド戦“残り10分”から感じたメッセージ/幻に終わった“マイアミの奇跡”の再現
【第一章 熱狂と悔恨の果て】
2018W杯 ロシア大会
チーム全員が輝いた日本代表/クロアチアが示した日本代表の未来/対応力の差が明暗を分けたベルギーとスペイン/加速させたい日本代表の年齢サイクル/日本人の持つ武器を前面に出して世界に打って出る
【第二章 日本サッカー強化の萌芽】
指導者としての目覚め
ドイツ流の指導で気づいたサッカーの面白さ/現場の熱を得るためにイングランドへ留学/成城大学サッカー部で指導キャリアがスタート/ジュニア世代から大学生まで一貫した指導/学問は現場を輝かせるためにある/ボリビアで学んだ本当の「プレーヤーズ・ファースト」/感銘を受けたノルウェー協会の指導方針/“テクニカルレポート”の原型
1995 U -20世界選手権 カタール大会
1995 U -17世界選手権 エクアドル大会
日本サッカー史上初のテクニカルレポート/世界に出なければ得られない経験値/サッカー選手である前にひとりの人間/サッカー用語を統一してベクトルを合わせる/日本サッカー強化の第一歩
1996 アトランタ五輪
困難を極めたスカウティング/スカウティングは監督が選手に自信を持たせるためのもの/ブラジル五輪代表のキープレーヤーは13人!/サッカーの本質は「点を取りあうこと」/広島の黄金期につながる種をまく
【第三章 未知との遭遇】
1997 ワールドユース選手権
ユース年代の強化の重要性/「基本的な技術の向上」+「タフに戦い抜くための心身」
1998W杯 フランス大会
初出場の狂乱/ベテランの経験か? 若手の育成か?/チーム全体のモチベーションをいかに維持するか/スコア以上に感じた“歴史の差”/世界トップクラスの選手たちと対峙/ジャマイカ戦の悔恨/出場32チームすべてを分析/「選手たちはチーム戦術を理解してよく戦ってくれた」/各国のさまざまなデータを緻密に解析/『三位一体の強化策』を可能にしたテクニカルレポート/育成年代の大会形式を変革/より洗練されていくテクニカルレポート/エキセントリックなフランス人監督/監督への反発心が選手たちのエネルギー源
1999 ワールドユース選手権
自国開催のワールドカップで知ったサッカーの意義/個々のレベルアップが組織力を高める
2002W杯 日韓大会
映像によるテクニカルレポート
【第四章 トライ&エラー】
日本サッカーの理念・理想を現実のものとするために
育成にこそ未来がある
2006W杯 ドイツ大会
初戦でまさかの黒星/中田英寿の引退/良さを消された“最強の日本代表”
紆余曲折の末に実現した「ユースディベロップメントプラン」
当初は影響を考慮され握りつぶされる/ユース育成の6つの問題点/「JFA2005年宣言」の実現に向けた「ロードマップ」/実現のために運命共同体として結束
2010W杯 南アフリカ大会
「受けなきゃいけない仕事だと思っている」/客観的な立場から“岡田ジャパン”をサポート/
ベスト16入りも個人の能力・対応に課題
2014W杯 ブラジル大会
プレーの質改善されず……
■特別対談 岡田武史(元日本代表監督)×小野剛
「一番強いチームではなく、変化に対応できるチームが勝つ時代になった」