【発行】株式会社カンゼン
【著者】西部謙司
四六判/256ページ
2015年12月17日発売
右から見るか、左から見るか…サッカーの見方の新機軸!
“左翼”のサッカーはなぜ美しくも勝負弱く、“右翼”のサッカーはなぜ勝つけれどつまらないのか?
極右のモウリーニョやシメオネに対する極左のグアルディオラやバルセロナ、オシム…。
右派的なサッカーが好成績を収める日本代表で、極右のハリルホジッチは成功できるか!?
サッカーの世界は右と左で分断されている。アルゼンチンの名将メノッティはかつて、「右翼のフットボールと左翼のフットボールがある」と喝破したように、実際の思想とは関係なくピッチで行われるサッカーは勝利至上的な右翼のサッカーと理想主義の左翼のサッカーという大きな傾向のなかで競争し、ときに憎しみ合いながら進歩してきた。
本書では、右翼的なサッカーと左翼的なサッカーという視点でサッカーの歴史を振り返るとともに、さまざまな監督を右と左に分類しながら、そのサッカースタイルも紐解き、読者自身のサッカーにおける志向が右なのか左なのかさえも考えていく。
◆右翼的サッカーの傾向
…勝てば何でもいい。勝利至上。基本、破壊者。守備から入る。軍隊的。フィジカル重視。つまらないと評される。アクション映画的。
◆左翼的サッカーの傾向
…勝ち方にこだわる。ロマン。基本、創造性重視。勝負弱い。モチベーション。恋愛映画的。反対的でレジスタを生む。
【目次】
Chapter1 右翼のサッカーと左翼のサッカー
左派の賢人メノッティの言葉/スコットランドで生まれた左翼のサッカー/カテナチオと勝利至上主義/カウンターだけのサッカーは存在しない/大衆の抵抗手段としてのカウンターアタック
Chapter2 右派と左派の肖像1
気鋭の右派 ディエゴ・シメオネのアトレティコ・マドリー/極左の巨星・グアルディオラ/中道モウリーニョの非凡なる平凡さ
Chapter3 右派と左派の肖像2
左も極めれば右/クロップのアナーキーな魅力/ヴェンゲルのユートピア/“中道”左派 ビエルサとその一派
Chapter4 ナショナルチームの右翼と左翼
ブラジル フッチボウル・アルテという遺産/イタリア 1-0のDNA/ドイツ 交互に表れる2つの顔/アルゼンチン メノッティ派vsビラルド派/フランス 将軍と移民とイタリアと
Chapter5 欧州サッカーにみる右翼と左翼の興亡小史
スコットランドが伝えた左翼のサッカー/ハンガリアン・ラプソティ/カテナチオの台頭/リスボン・ライオンズとトータルフットボール/現代サッカーの分岐点 クライフとサッキ