【著者】武光誠
【発行】株式会社カンゼン
A5判/232ページ
2015年4月17日発売
学校では教えてくれない「男の絆」の歴史を紐解く。
かつての日本で「男色」は特別なことではなく日常だった。僧侶と稚児、将軍と小姓、武士と家臣、
庶民と男娼、貴公子と貴公子…、日本史上ではさまざまな身分の人たちが、それぞれの立場で男色を楽しんだ歴史がある。
本書は、奈良時代から明治時代まで、史料に残された男色がらみのエピソードを抽出した。
同性愛に対する偏見や差別がなかった時代の「男同士の恋愛」を、あますことなく紹介する。
<目次>
第1章 王朝絵巻の男と男
●平安時代のモテ男・光源氏が寝床で少年を愛撫?
●藤原摂関家のエリート・藤原頼長の道ならぬ恋
●「男色の起源は空海」という俗説
●出家した恋人を追いかけて出家した貴族・・・など
第2章 男色天国となった武家社会
●男色禁止を誓った僧侶がいた! ?
●稚児をめぐって寺院同士が大ゲンカ
●日朝貿易の使者が見た日本の男色文化
●将軍・足利義教が愛した男は30歳過ぎだった! ?・・・など
第3章 戦国時代の衆道──御屋形様と小姓の関係
●戦国武将のステータスとなった少年愛
●甲斐の虎・武田信玄が男の恋人に送った手紙とは?
●男色戦術「桂男の術」とは
●あの独眼竜政宗にも男の恋人がいた! ・・・など
第4章 庶民も男色を楽しんだ江戸時代
●陰間遊びの手引き本「役者評判記」が続々と出版
●嫌な客を相手にする陰間の憂鬱
●夫の男色に抗議して自害したお姫様
●男の恋人と旅行に出かけた俳聖・松尾芭蕉
●ユニセックスの絵師・鈴木春信・・・など
第5章 タブーとなった明治以降の男色の風習
●近代に流行した学生同士の恋愛
●明治の文豪たちが記した男色の思い出
●男色を悪習とする風潮の萌芽・・・など